共働きが当たり前の時代。
それでも尚、一定数寿退社に憧れている女性はいるかと思います。少なくとも数年前の私は憧れていました。
今回は実際に寿退社して感じたこと・学んだことを綴ってみたいと思います。
・寿退社しようか迷っている
・寿退社に憧れている
・働くことに疲れた。もう働きたくない。寿退社したい・・!
目次
元いた会社
誰もが知っているホワイト企業。
職場環境は風通しが良く、尊敬できる上司・先輩もいました。
自分次第で定時退社も可能。(この辺は部署や上司によるかもしれません)
休暇も好きな時に取得でき、皆海外旅行へ行く。お給料も文句ない。
住宅手当支給。産休育休・時短制度完備。女性管理職もおり、結婚後も働く女性もたくさんいました。
福利厚生や職場環境は本当にパーフェクトでした。
そんな会社をなぜ辞めたの?!それは・・・
寿退社した理由
■仕事を任されすぎてとにかく働くことに疲弊していた
■経済的に働く理由がなくなった
■夫に「好きなようにしていいよ」と言われた
お母さんは家にいるもの。
学校から帰ると美味しい手作りのご飯が並んでいて、一緒にお菓子を作ったり。いつも優しい笑顔で迎えてくれる。
自身の育った環境から、そんな母の存在に自然と憧れていました。
また、残業しないで少しでも早帰りできるよう、業務中は息が止まる程全力投球。
結果は出たものの、どんどん任される業務。
回せない人の分も自分に回ってくる。
今ならばもっとうまく自分のキャパを理解し調整できるのですが、
当時は降りかかる業務量・期待に応えようと必死でした。
体は凝り固まり退職前2年程は本当に本当に疲れていました。
背中に石化した子泣き爺が乗っかっているかと思う程ガッチガチでした
そんな中、婚約。
主人からの「好きなようにしていいよ」という言葉。
あまり深く考えず「現状を逃れたい」息絶え絶えそんな思いと
「家事は割と得意な方だし、今後は夫を精一杯サポートしよう!」
という思いで新卒で入社した企業をあっけなく退職しました。
会社を辞めてからの生活
当時子どもはおらず、主人が昼食後、家を出た後は日中愛犬と二人きり。・毎日ノンストレス。とにかく体が楽でどこにも凝りがない・・!
・好きなことしかしていない
朝昼晩の3食の準備、掃除、洗濯、毎日朝晩愛犬とランニング。
買い物に行ったり整体やネイルに行ったり習い事に行ったり旅行に行ったり・・
いきなり3食毎日作るのは仕事とはまた違う大変さでしたが、
それまで多忙な職場で気を張っていたのが嘘みたいに毎日本当にリラックスして自由に過ごしていました。
再就職した理由
よかったのは最初2ヶ月程。次第にこんなことを感じるように・・
①全て夫の稼ぎで成り立つことに肩身が狭く感じるようになった
②家事の手抜きに罪悪感を感じる
③大切な人へ自分で稼いだお金で還元したい
④働く友人がキラキラして見えた
⑤自尊心を失いかけた
⑥離婚しかけた
⑦頭の回転が鈍くなった気がした
①全て夫の稼ぎで成り立つことに肩身が狭く感じた
勤務していた時のようなストレスや時間の制約なしに生活費を与えられ、毎日のんびり好きなことをして過ごす・・。
一見、とても羨ましく思われるかもしれません。
しかし、そんな生活を続けてみて、何から何まで夫に養ってもらっている状態に
なんとなく肩身の狭さを感じたのです。
「色々と負担してくれているのに、こんなこと言うのも難だよね?」
「ここはやっぱり私が我慢すべきかな」
など知らず知らずのうちに何か言いたいことがあっても自分は養ってもらっている立場だし・・と引け目を感じて遠慮するようになったのです。
「もっと夫と対等な関係でいたい」そう感じました。
②家事の手抜きに罪悪感を感じる
毎日休みなく家事を繰り返しているとどうしても今日は面倒くさいなと感じる日も出てきます。
家事についてうるさく言われたわけではありませんが
毎日時間が有り余る中で体調不良以外怠る理由がなく、ちょっとの手抜きでも罪悪感を感じてしまいました。
③大切な人へ自分で稼いだお金で還元したい
自分で収益を生まない為、独身時代の貯金を除けば夫からの生活費で余った分が貯金となります。
「夫や両親・妹弟の誕生日などお祝いしたい。
でも、元をたどれば結局は夫のお金でもあるよな・・。それってどうなんだろう?」
考えすぎかもしれませんが、”100%私からだよ”という気持ちでもてなしたいなと感じました。
④働く友人がキラキラして見えた
周りの友人達はほとんど働いていました。久々に会った際の会話で聞く仕事の話。
特別な話ではないはずですが、外の世界の話は当時の私にとってとても眩しく、楽しそうに聞こえました。
愚痴だとしても「毎日刺激があっていいな」そう感じたのです。
⑤自尊心を失いかけた
「自分、まだ若くてこんなに元気なのに何もしないで・・毎日何のために過ごしているんだろう?」
「このままで本当にいいのかな?」
「アルバイトの学生でさえ時給数百円生み出している。でも私は何も生み出せてない・・」
と自分の存在意義がわからなくなり、自信を失っていきました。
ポイントカードなど何か申し込む際に「無職」に丸をつけることも虚しく悲しく感じました。
家庭内では家事をこなして、その点では価値を提供していたはずなのですが、私にとっては何かが違ったのです。
⑥離婚しかけた
主人と喧嘩をした際に離婚が垣間見えたことがありました。
その時に「ああそうか・・。夫からの愛が冷めたら私は終わるのか」と危機感を覚えました。
また、離婚でなくとも、夫だけの一馬力で万一彼の身に何かが起きたり事業の失敗などが起きたり。
そんな有事に備えて自分も何かしら稼ぐ力はつけておくべきだと強く感じたのです。
⑦頭の回転が鈍くなった気がした
基本的には愛犬と過ごす日々。
下手したら宅急便のお兄さんへの「ありがとうございます」や
スーパーのレジでの「袋ください」位しか他人との会話がないことも。
整体もネイルもお稽古ものほほんとした会話。
社会との接触の欠如により言葉が咄嗟にうまく出ないのです。
語彙力の衰え具合に自分でも驚きました。
同時に「このままだと自分やばいかもしれない」と感じました。
人間愚かなもので、一度楽な環境に浸かってしまうと
多少の違和感があってもそれを変える差し迫った必要性がない場合、
なかなか動けないんだなと痛感しました。
再就職にあたりこれらでモヤモヤしていたところ、⑥(離婚しかけた)がトドメとなりました。
私の場合「ああそう!?そうかい!?そんなに言うならこちらから離婚だっ!」
と逆に変なやる気が沸き、そのお陰?で腰が重くなかなか行動できなかったのが一気に動き出しました。
再就職を決心してからその日に離婚届を入手。即記入し転職エージェント数社に登録。
2日でステップアップ就職。
内定承諾書・離婚届・希望条件を記載した紙を朝食と同時に主人に出しました。
(当の主人は離婚する気はなく想定外だったようで抜け殻に)
大分勢い任せすぎましたが、この位の負のエネルギーがないと私は動けなかったかもしれません。
(一周回って理由③「夫へ還元したい」なんぞ消えていますね・・笑)
一口も進まへん・・!
再就職してみて
■精神的・経済的に自立することの大切さを学んだ
■夫婦対等で以前より関係良好になった
履歴書と面接に通った段階で、
「ブランクがあって既婚の30代でも・・まだ社会から認められるんだ」
と気弱になりかけていた自分に自信が持てました。
以前感じていた引け目を感じることもなく、自身で稼ぎを生み出し、社会との関わりも持つことで自尊心を保てるようになりました。
主人の誕生日などに胸を張ってご馳走とプレゼントできるのも気持ちがいい・・!
きっと自分は意外にも働くことが好きなタイプだったんですね・・。
そして恥ずかしながら、他人に依存せず自立することの大切さを学びました。
この先ずっと同じ仕事をしているかはわかりませんが、今後も何らかの形で仕事はしていたいと思っています。
寿退社に憧れている貴女へ
■安易に決めないこと
■他人の意見ではなく自分の意思で決めること
合う合わないなんて、実際に辞めてみないとわからないかもしれませんが
ここまで記載したことをイメージしてみて、少しでも「わかるかも」と感じたならば様子を見た方が良いかもしれません。
退職後、離婚危機に陥る場合や夫が就業できなくなった場合などのリスクもあります。
また、辞めたい辞めたいと思った会社も離れてみると意外と恵まれている環境かもしれません。
一度離職してしまうと企業へ就職する場合、なかなか最初の条件を上回る就職は通常困難になります。よくよく考えて決断を。
「主人がどちらでもいいと言ったから」・・お恥ずかしながら私の愚かだった点です。
自分の人生。他人の意見ではなく自分がどうしたいか?それはなぜか?まず考えてください。
自分の意思がないと思わぬ結果となった場合に人のせいにしてしまったり、道を見失います。
まとめ
育った家庭環境、目の前の仕事に猛烈に疲れていたこと、夫からの「好きなようにしていいよ」の言葉に甘えたため。
■楽しめたのは最初の2ヶ月程。
自分の性格に合わず、次第に自尊心を見失い、夫に対し肩身が狭く感じるようになった。
■社会との関わりの大切さを痛感した。
■形はどうあれ働くことが意外と好きなことに気づいた。
■寿退社は合う合わないがある
■離職することのリスク(再就職のハードル、離婚危機、夫の就業不能・・etc)をよく考えて
■自分の人生。他人の意見ではなく自分の意思でよく考えて決めること
就職も結婚も人生において大きな転機。
仕事が辛くてストレスフルな日々、離婚がちらつき絶望に立たされた期間・・
当時はそれなりに辛い期間でしたが、考え方が浅はかで未熟だった自分にとって必要な出来事だったんだなぁと実感しました。
人生学びだらけですね。
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